LANの配線工事とは?LAN接続の種類は2つある
“LAN” といえば、今やオィスには絶対に存在するものであり、業務で必要不可欠なもの。
そのLANの配線工事を簡単に表現するなら、『コンピューターをインターネットと接続、また複数のパソコンを接続できる環境を整える工事』のことです。自宅でインターネット環境を整えるのとは当然規模が大きくなるため専門の業者に依頼することになります。また、ネットワークの種類にはLANとは別に「WAN」というものがあるのはご存知でしょうか?
さらに、LANの接続方式には「有線」と「無線」に分かれており、それぞれのオフィスの規模や仕様によって使い分けられています。
そこでここからは、LAN配線工事の基礎知識としてネットワークに関する様々な説明いたします。
ある程度、どのような工事をしているのか知っておくこともチェックする時には大切ですね。
目次
1、そもそもLAN配線工事とは?「WAN」との違い
そもそも ”LAN” とは、Local Area Networkの略で、直訳すると「Local Area = 同じ敷地内」となり、パソコンやプリンタなど、狭い範囲内で通信機器を繋げてデータをやり取りするネットワークの事です。
その工事なので、オフィス機器(パソコン・プリンター・通信機器・セキュリティ機器等)をネットワークで接続する工事のことをLAN配線工事となります。
例えるなら、自分の家で考えると分かりやすいと思いますが、パソコンを使ってプリンターで印刷する時は、当然同じ敷地内の限定されたネットワークなのでLANとなりますよね。
次に、ある程度規模が大きな企業やグループ会社などで、全国に支店・支社がある場合、本社や各々の支店・支社内にLANでネットワークが構築されているのであれば、本社LANと支店・支社のLANを接続する必要があります。
このようにLAN同士を接続して構築したネットワークを、”WAN(ワン)” と言います。
WANは、Wide Area Networkの略になります。
以上を簡単に表現すると、そのネットワークが 「Local=狭いのか」、「Wide=広いのか」という違いになり、
- LAN配線・・・狭い、限られた場所でのネットワーク
- WAN配線・・・広い、広域的なネットワーク
となるのです。
また、LAN配線には冒頭でも説明して通り、『有線LAN』と『無線LAN』があります。
それは次の項で詳しく見ていきましょう。
2、「有線LAN」とは?
オフィスでインターネットを利用するに当たって、ネットワークの接続方法の2種類あり、まず「有線LAN」について説明いたします。
有線LANとは名前のイメージ通り、ルーターから有線ルーターとパソコンをLANケーブルでつなぐことであり、このLANケーブルを使った接続方法が「有線LAN」となります。この有線LANで接続しているオフィスの割合も多く、最もポピュラーな接続方法になります。
そこで、有線LANのメリット・デメリットを確認してみると以下の通りとなります。
- 有線LANのメリット
- 通信速度が早く、接続が安定している
- 情報量が多い通信に向いている
- 有線なのでデータなどを読み取られるなどのリスクが低い
- 有線LANのデメリット
- ルーターの設置箇所にケーブルが集まりコヂャゴチャしてしまう
- LANケーブルが必要になり、配線経路を決めておく必要がある
- 異なる部屋をネットワーク接続する場合には不便
このように、接続が安定し通信速度も速いのですが、機器が増えれば電気代が増えたり速度が低下したり、配線も増えて整理が大変なことがあります。
3、「無線LAN」とは?
次に、無線LANはこちらも名前のイメージ通り、「ワイヤレス ラン(Wireless LAN)」とも呼ばれ、ケーブルがなくてもインターネット接続できるシステムの総称です。
この無線LANの世界的標準規格は「IEEE 802.11」といいます。
『ELWCOM』の説明を一部抜粋すると、
“「IEEE 802.11という通信規格を採用した無線LAN機器を製造するメーカーの業界団体が『Wi-Fi』という共通規格を作り、Wi-Fiが無線LANの世界的標準となった。そのWi-Fiの採用している通信規格がIEEE 802.11である」”
となり、最近では無線LAN全般を指して「Wi-Fi」と呼ぶこともありますが、明確な違いは、無線LANという大きなくくりのなかにWi-Fiがあるという事です。
そこで、無線LANのメリット・デメリットを確認してみると以下の通りとなります。
- 無線LANのメリット
- 配線が不要なため、機器の周囲が綺麗にできる
- 移設、増設が容易にできる
- 電波が届く所ならどこからでもインターネットに接続できる
- 無線LANのデメリット
- 有線LANと比べて通信速度が遅く、接続が不安定になることがある
- 有線LANよりも高価
- セキュリティ面でデータ流失のリスクもありえる
こちらは、有線LANとは全く逆のことがメリットとデメリットとなり、主に小規模なオフィスに向いているのではないでしょうか。
4、LAN配線工事の基本的な流れ
LAN配線工事は、パソコンやプリンターなどのネットワーク機器が使えるよう、インターネット環境を整えるために行います。一般的には、電話とインターネットをセットで使うので、電話工事のついでに併せてLAN工事もやってしまう事がほとんどです。では、一般的にどのような流れで工事が行われるのか、「OFFICE110」を例に見ていきましょう。
-
フリーダイヤル・お問い合わせフォーム、にてお問い合わせ。
-
現状をお電話・ファックスにてお伺いいたします。場合によっては、現地調査いたします。
小規模の構成であれば口頭での説明で済むと思いますが、規模が大きい場合は現地調査をしてもらい、希望の構成を申告し問題ないか最終確認してもらいましょう。
-
お問い合わせ内容や現地調査から、お見積りを作成。
現地調査で問題なければ、それを元に見積もりを出してもらいます。
-
正式なご発注後、工事日程の打ち合わせ。
出された見積もりはしっかりチェックして下さい。特に、「材料費」や「諸経費」など、細かい内訳が書いているかどうか確認しておきましょう。見積もりのチェックが終わったら、どれくらい工事に時間が掛かるのかを確認し、いつ頃工事をしてもらうのか日程を調整しましょう。
-
設計、調査にもとづき、工事・構築・配線を致します。(通常1~5日程度)
工事が終われば完了となりますが、トラブルが起こった時のアフターサービスに関しても確認が必要です。
一般的にはこのような流れで行われますが、業者によって異なることがありますので、特に費用に関しては細かい所まで確認しておくと安心ですね。
5、まとめ
ここまで、ネットワーク接続に関する基礎的なことを説明してまいりましたが、大きな会社にお勤めの方はだいたい有線LANでの接続になっていると思います。
基本的にLAN配線工事は、このような有線LAN接続をメインに、無線LANにおいてもルーターの設置から設定まで行っているのが一般的です。ここでは、ネットワーク接続の基本的なことを少しでもご理解していただければ幸いです