LAN配線や設備はどれくらい使えるの?LAN設備の法定耐用年数とは

LAN配線や設備はどれくらい使えるの?LAN設備の法定耐用年数とは

LAN配線工事した後、どのくらいの期間使い続けることができるかご存知でしょうか?
どのくらい使えるとは、今存在している様々な製品には、法律で「耐用年数」というものが定められています。それは、LAN配線1つにも定められており、耐用年数は物理的寿命ではないものの、取替えの目安にしてみるのも良いかもしれません。

ここからは、耐用年数とは何かの説明と、LAN配線および設備の耐用年数をご紹介いたします。

目次

  1. そもそも法定耐用年数とは何なのか?
  2. LAN設備や配線の耐用年数は?
  3. まとめ

1、そもそも法定耐用年数とは何なのか?

まず、法定耐用年数とは、税法で規定されている耐用年数のことをいいます。個々の機械はその耐用年数を正確に見積もることが困難であるため、税法では各種の減価償却資産を分類して耐用年数が定めており、その耐用年数に従って減価償却(=その物の価値を年数とともに減少させていくこと)をしなければいけません。

これは、国税庁が作成する「耐用年数表」で確認することができ、

  • 建物
  • 建物付属設備
  • 構築物
  • 車両、運搬費
  • 工具、器具及び備品
  • 機械、装置
  • 生物

などの主な減価償却資産に対して、細目別に耐用年数が記されています。
また、耐用年数とは一般的な「物」が使用に耐えられる年数のことをいいます。

現在、どの製品を見ても「新品」と「中古」が販売されている事が多いのですが、基本的に法定耐用年数は新品の資産を対象にしています。

一方の中古資産に関しては取得後の使用可能期間を見積り、その見積もり耐用年数により償却限度額を計算することがあります。もし、見積もりが困難な場合は、簡便法で見積耐用年数を算出することも出来ます。簡便法では次の様な基準となっています。

  • 法定耐用年数の全部を経過した資産の場合
    法定耐用年数の20%
  • 法定耐用年数の一部を経過した資産の場合
    法定耐用年数から経過年数を引いた数字に経過年数の20%を足した数字

以上、簡潔に耐用年数についてご説明いたしましたが、ではLAN設備やケーブルの耐用年数はどのくらいなのか?
次の項でご説明いたします。

2、LAN設備や配線の耐用年数は?

LAN設備や配線の耐用年数については、税法の改定などあった関係で、

  1. ➀LAN設備全体を一の減価償却資産として6年の耐用年数により計算する方法
  2. ➁LAN設備を構成する個々の減価償却資産ごとに計算する方法

と、このいずれかにより計算することになっています。
➀はLAN設備に関するものは全て耐用年数6年となりますが、個別の減価償却資産ごとに償却費を計算する場合の耐用年数は以下の様になります。

個々の減価償却資産 耐用年数 「種類」「構造又は用途」「細目」
サーバー 5年 「器具及び備品」
「事務機器及び通信機器」
「電子計算機」
ネットワークオペレーションシステム・ソフト 5年 「無形減価償却資産」
「ソフトウェア」
「その他のもの」
ハブ・ルーター・リピーター・LANボード 10年 「器具及び備品」
「事務機器及び通信機器」
「その他のもの」
端末機(パソコン) 4年 「器具及び備品」
「事務機器及び通信機器」
「電子計算機」
プリンター 5年 「器具及び備品」
「事務機器及び通信機器」
「その他の事務機器」
ツイストベアケーブル・同軸ケーブル 18年 建物付属設備」
「前掲のもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」
「主として金属製のもの」
光ケーブル 10年 「建物付属設備」
「前掲のもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」
「その他のもの」

また、一般的なLANケーブルの耐用年数の目安は、社団法人日本電線工業会発行の技術資料「技資第145号 通信ケーブルの耐用年数について」(平成20年8月発行)によると、

  • 屋内敷設  20~30年
  • 屋外敷設  15~20年

となっています。

ですが、現実には劣化により取り替えすることが一般的なようで、そのLANケーブルの劣化の要因には以下のようなものが考えられます。

  • 機械的要因 … 衝撃、圧縮、屈曲、引張、振動などによる劣化
  • 科学的要因 … 油、薬品による劣化
  • 熱的要因 …  高温、低温による劣化
  • 電気的要因 … 過電圧や過電流などによる劣化
  • その他の要因 … 浸水、紫外線、虫・動物、施工不具合など

その他にも通信速度やケーブル特性の発達で、配線寿命の前にLANケーブルを取り替えることがあります。このように、あくまでも耐用年数なので実際はもっと長く利用できたり、劣化状況によっては耐用年数よりも早く取り換えが必要な場合があります。

3、まとめ

ここまで、法定耐用年数とLAN設備の耐用年数の説明を致しましたが、あくまでも目安となる年数になります。
特にLANケーブルに関しては、屋内で利用するものは耐用年数が20~30年となっていますが、実際に30年同じケーブルが使っているところはまずいないと思います。あくまでも目安なので、古くなったり劣化が激しい様なら取り替えるようにしたいですね。